公益財団法人佐賀県地域産業支援センター さが県産品流通デザイン公社さんのHPで特集して頂きました!

いちご農家
「香月農園」
香月涼子さん(神埼市)

Vol.7 香月さんちのいちご畑

いちごの可能性をどんどん引き出していきたい。




■専業主婦からいちご生産者に。



佐賀県と福岡県の県境に位置する神埼市。佐賀らしい風景のひとつである田んぼの中のクリーク(水路)に沿ってくねくねと車を走らせると、「香月さんちのいちご畑」に到着。出迎えてくれたのは香月涼子さん。旦那さまと一緒に18年前からいちご農園を営まれています。旦那さまのお父さまがいちご農家だったこともあり、脱サラした旦那さまはいちご農家へと転身。それに伴って、専業主婦だった香月さんも農家の仕事をすることになります。「父がやっていたいちご経営を全て継承したのですが、父からは栽培のやり方など何も教わっていないんです。2人で一から始めたので、JAのいちご部会の仲間から栽培や管理の方法を教えてもらいました」。そこから18年間。山あり谷ありで、「谷のほうが多かったんじゃないかな」と振り返る香月さん。それでも続けてこられているのは「いちごが可愛いから!」と満面の笑みで答えてくれました。

いちごへの真っすぐな思い。



現在、ハウスは4棟で全部で20アール(2,000m²)。奥行80メートルもの長いハウスの中は、葉っぱの緑と果実の赤で可愛らしく彩られていました。取材した2月中旬は収穫の最盛期。主にご夫婦で作業を行っていますが、香月さんのママ友も数名、パートで働いてくれているそうです。栽培されているのは、佐賀県が誇る品種「さがほのか」。香りがよく、酸味も穏やかで、しっかりとした果肉が特徴です。香月農園では高設栽培(※)ではなく、土耕栽培を採用し、美味しさにこだわった「さがほのか」を生み出しています。「やっぱり土で作ったほうが甘いと思いますよ。腰には堪えますけどね(笑)」。腰をかがめての作業が続くため、イチゴを一粒ずつ収穫するのはかなりの重労働。「まだ?まだ?」と思うほど、80メートルのハウスはとても長く感じるそうです。

(※圃場に直接いちごを植えずに、専用ベンチを用い高い位置に栽培スペースを設置し、そこにいちごを植えて栽培する方法で、立ったままでの作業が可能。)



さて、香月さんに「大きい粒のほうが栄養を蓄えるから甘いですよ」と教えていただいて、できるだけ大きないちごを選んでもぎ立てをいただきました。すごく甘くてジューシーな味わいに感激!聞けば糖度は12度。いちごで12度は高いほうだとか。毎年、研究には余念がないそうですが、特にここ数年はよい土でいちごを栽培するために、夏の土作りに力を入れているとのこと。「美味しかったよ、と言われるのが何よりうれしいですよね。取引先の業者から『こんなに美味しいイチゴは初めて食べましたって、お客さんからわざわざ電話があったよ』なんて話を聞くとたまりませんね」。お客さんからの喜びの声が、香月さんのいちごに対する思いを一層深めているようです。

主婦目線から生まれた、いちごお菓子の数々。



そんな愛おしいいちごも、出荷するとなると「規格外品」というものが出て、市場に出すことができず行き場を失ういちごが出てきます。「ちょっと傷が付いていたり、ちょっとサイズが小さかったりするだけで、捨てざるを得ないのがすごくもったいないと思ったんです。主婦根性ですよね(笑)。最初は、人にあげていたんですが、毎日あげるわけにもいかないでしょ?そこで、10年前はほとんど売られていなかったドライいちごを作ろうと思ったんです」。最初は、規格外品のものだからと大袋に入れて100円で売っていたところ「もっと高く売れるよ」と周りの人から言われたり、県の商談会や研修へ出向いたりするうちにノウハウも身に付いて、香月さんはいちごの加工品を本格的に手がけていくことになります。



さらに「商品は一つではダメ」というアドバイスがきっかけで、商品数を増やしていこうと考えました。ドライいちごは生のいちごを使うため、作る時期が限られる。夏場に何か作れないかと考えたのが、冷凍保存のいちごを使った粒ジャムでした。ジャムは実だけを使うため、エキスが余ってしまう。それを捨てるのは勿体ないので、エキスでシロップを作る。そのシロップを入れた、いちごジュレが生まれる。というように、主婦ならではのリサイクル術で商品がどんどん増え、現在は主力商品が10種類に。このようにして「香月さんちのいちご畑」ブランドが次々に生まれていきました。

農家の手作りにこだわった加工商品。



自宅から歩いてすぐのハウスでいちご栽培を、そして自宅の裏にある倉庫を増築した工房では加工品作りが行なわれています。一年中忙しいいちご農家であるにも関わらず、加えて加工品の製造、さらに全国各地の商談へ出向いたり営業先を回ったりと、香月さんはいつもフル稼働で動いています。そんな風にしていつの間にか培われた人脈は、加工品だけなくいちごの販売ルートの開拓にも繋がり、現在ではいちごも直接販売をするようになりました。加工については製造の専門スタッフを雇い、専用の機械も導入して効率化を図っていますが、関東や西日本の量販店、コンビニのカタログギフトでも販売されるなど注文数はかなりのもの。製造の委託をしても良さそうなものですが……。「自分で作るのと、よそで作るのとでは思いが違ってくるのかなって。今は、味や見た目にこだわりを持つスタッフがいてくれて、良い商品が作れているので本当にありがたいです。今後はもっとスタッフを増やして生産ラインを大きくしていきたいです」。自分たちで育てたいちごは、自分たちの手で加工したい。生産者だからこそ分かるいちごの特徴を生かして、自分たちにしかできない加工品作りをしていきたいと話されます。

■ブランド力を磨いて、いちごの可能性を広げていきたい。



バイタリティあふれる香月さん。今後の展望を聞くと。「もっとブランド力を高めて差別化をはかっていきたいですね。一から新しい商品を作るのではなくて、既存の商品を他のところの商品と組み合わせて新しいものを作っていきたいです」。今、思い描いているのは、紅茶とドライいちごをセットにしたもの。紅茶にドライいちごを一枚浮かべただけで、すごく良い香りがするのだとか!紅茶に限らず緑茶、ウーロン茶などのお茶と、いちご、マンゴー、キウイなどのドライフルーツを組み合わせた商品が作れないかと考えているそうです。さらに「例えば、みかん農家やきゅうり農家など佐賀県のさまざまな農家さんと一緒になって、佐賀県のいろんな味わいを詰め合わせたお土産を作ってみたいですね。佐賀県をもっとアピールするためにも!」。今まで築き上げてきた加工のノウハウを、地域の活性にも役立てていけたらと香月さん。いちごが大好きだから、その美味しさをもっと多くの人に楽しんでもらいたいという純粋な思いが、これからさまざまな展開を生み出していきそうで楽しみです。

【「香月さんちのいちご畑」が買えるところ】

●加工品

「アマゾン」
https://ur0.link/JbYe

 

Ecobito(えこびと)/佐賀

住所:佐賀県神埼市千代田町迎島1282‐6

電話 :0952-20-0388

 

●いちご

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